語り部の独りカタリ

國立 照のブログです。呟きに似た独り言です

國立、北海道へ飛ぶ(2)

フクロウの神様の勧めか北海道へ ーその2ー

さて、前回のおさらいですね。

ひょんなことから、國立は予定もなく北海道へ一泊二日することに。

天候が悪過ぎ、神社で雨宿りをして助けられました。

さて次にどうしたらいいのか。

観光といっても、どこに行けばいいのかさっぱり。

そこでお世話になる親戚にオススメな場所を聞くことに。

電話をかけました。


親戚「そうねぇ。。赤れんが庁舎なんてどう?」

國立「はい。いってみます」


予定の消失でこだわりが全くなかった私は

二つ返事で札幌に戻りまして、赤れんが庁舎に行きました。



赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)


ちょっと説明を。

札幌を訪れた方は赤れんが庁舎に足を運ばれたことはありますか?

北海道の歴史的建築の一つでして、1888年(明治21年)に建てられました。

お庭も美しくてオススメです。札幌に訪れることがあったら是非行ってみて下さい。


無料で閲覧でき、中に入ると洋風でレトロな内装。

まるで明治時代にタイムスリップしたような気分で散策しました。


北海道の歴史や観光案内などが展示されており

「北海道」と定められるまでの経緯や、それにまつわる品。

私が行った時には戦時中の展示もされてたり興味深かったです。


ただある名前を目にした時、固まりました。


”松浦武四郎”


どこかでみたことがある名前だなぁ。と思ったのですが

その時、思い出せず。

人物解説も読まず素通りしてしまいました。

後々、出て来ますので今は伏せておきます。


終わりがけだったので、観覧もほどほどに

そろそろ出なくちゃなぁといそいそしていると


入り口の守衛のおじさんが


「急がなくていいよー。最後のお客さんでも大丈夫だから」

「あ、はい」

「スタンプとか押して行きなよ。記念になるから」


と言ってくれまして。お言葉に甘えて記念写真を撮ったり

御当地スタンプを押したりして過ごしました。


そろそろ帰ろう。


挨拶をしようと思い、窓口へ顔を出すと


「君って、観光かい?」


守衛さんが私の目を見つめて聞いてきました。

唐突だったので戸惑い


「え?ああ‥ちょっと人に会う予定がキャンセルになっちゃって」


と答えると


「君、真面目だからねぇー」


何も話していないのに何故か不思議な会話にどきりとしました。


「‥そうでしょうか?」

「よくも悪くも真面目だよ。

君、責任感もあってしっかりしてるけれど危うい部分もあるね。

もっと力抜いて回り道をしたほうがいい。

直線だけで、最短ルートで達成なんて思わないで色々経験してごらん?」

「‥」


ここまで本当に何も話していないのにな。

神社で考えていた自分の人生の問題点をズバリ言い当てられ

しかも答えまでさらりと言われてしまい

ショックなような、怖いような、嬉しいような。

福耳で優しい目をされた守衛さんに驚きを隠せませんでした。


「‥今まで、こんな一人旅したことなかったんです。

まさに。今、回り道をし始めた最中なのかもしれないです」

「そうだねぇ。両親にお土産でお菓子、買って帰るといいよ。

今までの感謝も込めて。美味しいお菓子屋さん知ってるから道、教えてあげる。

喜んでくれるよ。地図ある?」


言われるままに地図を出すと

赤い線を引きながら丁寧に教えて下さいました。


「‥ありがとうございます」

「いいよいいよ。あとね。何泊?」

「あ。そうですね。明日帰っちゃうんです」

「美味しいラーメン屋さんとかも紹介するし、泊まる場所決まってるかい?」

「ありがとうございます。親戚に泊めてもらえるので大丈夫ですよ」

「よかった。引き止めてしまってごめんね」

「いえ‥なぜわかるんです?」

「あー、なんとなくだよ」

「‥不思議ですね」

「そうかい?君、よく不思議なことにあってるからわかるんじゃないかい?」


笑いながら言われるんですけれどね。

本当に不思議ですよね。両親のことも話してないですよ。笑うしかありませんでした。


「ありがとうございます。もうちょっと頑張ってみますね」

「そんなこと言わずに、またおいで。今度は冬とか」


思わず握手してもらいました。


人のご縁って何かあるんですね。

見透かされたような目に、暖かさがあるなんて。


守衛さん、お元気ですか?

あの時はありがとうございました。あれから2年経ちますが

私は回り道をしながらも、ゆっくり楽しんでますよ。

今度こそ。観光目的で自分の羽を休めに北海道に行きますね。


続く

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